網膜芽細胞腫
網膜芽細胞腫とは
3歳頃までの乳幼児の網膜に発生する悪性腫瘍で、1 万5000 人に1 人の割合でおこる病気です。
うち20~30%は両眼性で遺伝性をもつと考えられています。片眼性の場合、大部分は非遺伝性ですが、一部に遺伝性のものがあります。
治療は、腫瘍が大きい場合には、早期に眼球摘出を行ないます。周囲に浸潤がみられた場合は、さらにエックス線照射や抗がん薬による化学療法も行ないます。
腫瘍が小さい場合には、放射線療法、光凝固、冷凍凝固、眼球温熱、化学療法などによって、眼球を摘出せずに腫瘍細胞を不活化させます。
5 年以上の長期生存率は90%で、これは腫瘍の広がりの程度によって決まってきます。
両眼性の場合は、骨肉腫などほかのがんの発生率が高いので、一生涯の経過観察が必要です。
症状
自分で症状を訴えることがない乳幼児の病気なので、たいていは周囲の人によって気づかれます。
光を当てたときに瞳が猫の目のように白く光ることから気づく場合が多いです。
また、ガンができたほうの視力が落ち、斜視になってから発見されることもあります。
斜視は片眼の視力が著しく低下して、両眼視が崩れることによって起こります。
ワンポイントアドバイス
発見が遅れてがんが眼球の外にまで広がらなければ、生命はまず助かります。
気になる場合には至急眼科に受診してください。 |